サービス管理責任者とは?

サービス管理責任者とは、障害者総合支援法に基づき、「障害福祉サービス」を提供している事業所ごとに、配置を義務付けられた責任者のことです
サービス管理責任者の配置が必要な障害福祉サービスは、具体的に以下のようなものが挙げられます。

サービス管理責任者が働く場所

  • 居宅介護(ホームヘルプ)
  • 療養介護
  • 自立生活補助
  • 共同生活補助(グループホーム)
  • 自立訓練(機能訓練)
  • 就労移行支援等

サービス管理責任者の役割

  • 支援プロセスの管理
    サービスの利用者が障がい者向けサービスを利用する前に必要となるのが、個別支援計画です。サービス管理責任者が個別支援計画を作成し、その計画に基づいて支援がおこなわれます。この計画には、利用者やご家族などから聞き取った情報を元に、目標設定などが記載されています。
    サービス管理責任者は個別支援計画の原案を作成後、支援サービスを提供するスタッフとの会議をおこない、計画の修正や利用開始に向けての準備を進めます。その後、利用者やご家族に内容の説明をし、個別支援計画の内容について了承が得られたあとは、計画の進捗を調査(モニタリング)して、必要に応じて計画の見直しをおこないます。
  • チームマネジメント
    サービス管理責任者は、責任者として職員などへの指導・助言などチームマネジメントを行います。
    具体的には、職員のサービス提供に対してのスーパーバイズや、サービス向上・人材育成のための研修や勉強会の実施などがあります。ほかにも、メンバーの役割を明確にして適材適所の人員配置をしたり、チームメンバーのモチベーションマネジメントなどもサービス管理責任者の担う役割と言われています。
  • 関係者や関係機関の連携
    サービス管理責任者の業務内容として、個別支援計画を作成してサービスのプロセス全体を管理していくことに加え、より質の高い支援を行うために他事業所の関係者や関係機関を巻き込んでチームとして支援にあたる必要があります。
    他の事業所や医療機関、行政など様々な分野と連携を図り、包括的なサポート体制を構築することは、サービスの品質を高める上で重要です。個別支援計画に沿って適切なサービスを提供するためには、チームケアが欠かせません。関係機関と連携を取り、サービスの質を高め、利用者に合ったサービスが提供されるよう調整をおこないます。

サービス管理責任者になるための4つの条件

サービス管理責任者になるためには、次の4つの条件を全て満たす必要があります

  • 実務経験
    サービス管理責任者の資格を取るには、厚生労働省の指定施設での実務経験が必要です。規定の実務経験の要件を満たしていない場合、資格取得に必要な研修を受講することができません。
    サービス管理責任者の資格取得に必要な実務内容と経験年数は下記の通りです。

    ■相談支援業務:身体障害・精神障害のある人の相談に応じ、助言その他の支援をおこなう。相談支援専門員、支援相談員、ソーシャルワーカーなど。
    ・実務経験年数:5年以上

    ■直接支援業務(資格あり):食事、入浴、排泄などの介助や生活能力向上のための機能訓練その他の支援をおこなう。社会福祉主事※1、介護職員初任者(旧ヘルパー2級)、保育士、児童指導員、精神障害者社会復帰指導員など。
    ・実務経験年数:5年以上

    ■直接支援業務(資格なし):上記と同様の生活介護や機能(自立)訓練などを行う。
    介護職や指導員、看護助手、生活支援員など。
    ・実務経験年数:8年以上

    ■国家資格による業務:国家資格※2を所有して、上記の相談支援業務および直接支援業務に従事する。
    ・実務経験年数:3年以上
  • 相談支援従事者初任者研修の受講
    実務経験の要件を満たした人は、相談支援従事者初任者研修の講義部分を受講します。相談支援従事者初任者研修の講義部分を受講する必要があります。
    相談支援従事者の役割やケアマネジメントの手法、障害者総合支援法・児童福祉法の概要、サービス提供のプロセスなどについて、合計11時間のカリキュラムが組まれています。
    サービス管理責任者の資格要件は講義部分の受講のみで満たされるため、講義後に実施される演習を受ける必要はありません。
  • サービス管理責任者等基礎研修の受講
    ・相談支援従事者初任者研修講義部分の一部を受講(11.5h)
    ・サービス管理責任者等研修(15h)
  • サービス管理責任者等実践研修
    ・サービス管理責任者等実践研修(14.5h)
    ※基礎研修修了翌日から5年間で通算2年以上の相談支援業務又は直接支援業務の実務経験が必要

サービス管理責任者(サビ管)の給料(年収・月収)

厚生労働省の調査によると、サービス管理責任者の月収は基本給とボーナス込みで40万円程です。 年収に換算すると、480万円のため、日本の平均給与433万円より高いことがわかります。 他の介護職のケアマネージャーや生活相談員と比べると、給料が高く安定しています。

サービス管理責任者(サビ管)の魅力・やりがい

・利用者一人ひとりの問題解決ができる
介護などの手助けを必要とする人がサービス提供の対象となっており、一人ひとりの悩みを聞きニーズに沿った個別支援計画を立てる仕事です。 利用者の問題を解決でき、計画がうまくいったときは、やりがいを感じる人が多いです。
・利用者の笑顔をみられる
日常生活の問題を解決することで、利用者が笑顔になり、感謝されることもあります。 サービス利用者の笑顔を見られたときは、やりがいを感じます。

サービス管理責任者(サビ管)のまとめ

サービス管理責任者は、利用者一人ひとりに最適な障害福祉サービスを提供するうえで全体管理を行います。
支援プロセスの管理からスタッフへの指導・助言、関係機関との連携まで利用者のサービス提供に関する全てが役割のため、利用者とのコミュニケーション以外にマネジメント能力が必要となり、介護職の中では、給料の高い仕事です。
そのため、介護業界でキャリアアップを目指したい方には、おすすめです。